理事長あいさつ

家族愛による教育支援の拡大
~「共生・共助・共感」社会モデルの創出を目指して~

 
 日頃の支援者の皆様のご協力に心から感謝申し上げます。


▲フィリピンの小学校を訪問する外舘孝則理事長

 改めて、エンチャイルドの目指すもの、現在の活動の意義について、皆様と共有したいと思います。

 特定非営利活動法人ンチャイルドは、すでにご案内のとおり、「全ての子供たちが夢と志を持って生きられる社会」の実現を目指して活動を展開しています。そのようなビジョンを具現化するためには、現実の社会に横たわるさまざまな課題を解決していかなければなりません。それゆえ、社会の課題を解決することがエンチャイルドのミッションとならざるを得ないということになります。

 エンチャイルドは、貧困の世代間循環の解決のために子供たちへの奨学金支援プログラム等の教育支援事業を行っています。同時に、「心の支援」を届けることを目的に交流プログラムを実施しています。経済的自立だけでなく、子供たちには、利他的な価値観と他者への思いやりを持った社会人に成長してほしいと願っているからです。そのような社会教育の視点が、ひいては「貧困のない社会」の扉を開く鍵になると考えます。受益者である奨学生だけでなく、奨学生の保護者をはじめ、エンチャイルドの活動に関わる全ての人々とそのような価値を共有することで、子供たちが十分な教育を受けられる社会、貧困のない社会が実現できると信じています。

 ところで、利他的な価値と他者への思いやりを私たちはどこで学ぶのでしょうか。私たちは、それは「家族関係」や「家庭生活」を通してなされる、と考えます。家族愛の絆こそが愛他精神の源泉だと考えるからです。その意味で、エンチャイルドの活動はこのような「家族愛の文化」創出のための取り組みだといえるでしょう。

 家族愛文化のキーパラダイムは、「共生」「共助」「共感」の三つです。“共存”ではなく“共生”です。家族は衣食住を共にします。自己と他者の別を意識せずに共に助け合って生きているのが家族です。喜びも悲しみも分かち合い、信頼と共感の中で生きているのが家族です。このような家族愛の文化を、人種や国籍、民族や宗教の違いを超えて共有することができたら……。

 私たちは、エンチャイルドの活動を通じて、信頼と共感の関係で結ばれた共助社会モデルを創出したいと考えています。世界の子供たちの就学の実現とともに、「共生・共助・共感」社会モデルを創出することがエンチャイルドの目指すゴールの一つなのです。毎年実施されているスタディーツアー(現地訪問ツアー)は、短期間でそのことを体験・体感できるプログラムとなっています。

 支援者の皆さんの共生の心、共助の心、共感の心が子供たちを元気にしています。今後ともエンチャイルドの活動に対する、ますますのご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。

特定非営利活動法人エンチャイルド
理事長 外舘 孝則

 


▲フィリピンの小学校を訪問する外舘孝則理事長
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