ステークホルダーの声

Message from the Philippines
「児童・生徒たちが大学進学への志を追求できるようになったことを大変感謝しています」
 2016年5月20日、エンチャイルド・スタディーツアー2016参加者一行は、支援先の一つであるミンダナオ島アグサン・デル・ノルテ州マガリャネス町のデモステネス・アラバカ町長を表敬訪問。そしてこの日、アラバカ町長はダヒカン小学校で行われた支援式典において、エンチャイルドの支援に対する謝意を公式に発表しました。

▲デモステネス・アラバカ町長

 紳士淑女の皆さま、祝福された一日をお過ごしください。

 きょうは「適切な教育を通じた貧困の軽減」をテーマに掲げながら、フィリピンにおける日本のNPO法人エンチャイルドの奨学金支援プログラムの13周年を記念する特別な日です。

 今年掲げたこのテーマは、正に正鵠を得た内容であり、私たちも認めるところです。不自由のない、適切で正しい教育こそが貧困や無知、政府の腐敗に対して私たちが戦う上での最良の道具となることは、誰も反駁できない事実であると認識しています。

 NPO法人エンチャイルドのビジョンとミッションは、貧困の根絶を目指しているフィリピンのような発展途上国においてふさわしい内容を持っています。NPO法人エンチャイルドは、貧困下にあっても学ぶ意欲と価値を有する児童には適切な教育を施すことに挑戦しています。それは、子供たちが人生に立ち向かい、子供たちがより良い明るい未来を末代にわたって築いていくことができるようにするためです。


▲町長表敬訪問

 マガリャネスの町の役員や指導者は、マガリャネスがエンチャイルドの奨学金支援と交流プログラムの支援先として選ばれ、児童・生徒たちが大学進学への志を追求できるようになったことに大変感謝しています。

 誠実なるNPO法人エンチャイルドの支援者の皆さんは得た収入の恵みを世界の人々に分かち、真に社会的責任を果たしています。そして、真なる人類兄弟愛と他者への思いやりの模範を示し、それを推進しています。

 奨学生たちが成し遂げたい志や夢を、彼らが誇りを持って実現することができるよう、エンチャイルドの皆さんが差し伸べてくださる特別なご厚意に対して、マガリャネス町は心からの感謝と謝意を表します。

 ありがとうございます。神の祝福がありますように。

2016年5月20日

アグサン・デル・ノルテ州
マガリャネス町
町長 デモステネス・アラバカ


▲デモステネス・アラバカ町長

「受益者のままでいるのではなく、友人や周囲の隣人に与える人となってください」
 2016年5月20日にダヒカン小学校で行われた支援式典でのジュナリン・モレスさん(ミンダナオ島アグサン・デル・ノルテ州マガリャネス町教育委員会・価値教育におけるスーパーバイザー)のスピーチを紹介します。

▲ジュナリン・モレスさん

 一人の母親として、私は家庭における子供の存在はとても大切なものだということを理解するようになりました。

 子供たちの笑顔一つで母親の重荷や苦労は消えてしまうものです。家庭における子供たちの笑い声は、奏でられる音楽のようなものです。子供を育てることを通じて父親、母親の情緒が育ちます。

 支援式典に立ち会いながら、私は多くの感想を持ちました。まず、愛、豊かな愛情が感じられました。与えるということなしに愛することはできません。私はフィリピン人として、日本の兄弟姉妹、友人の皆さんがフィリピンに来られて、受益者の奨学生たちに惜しみなく愛を与えてくださっていることを大変光栄に思います。

 日本の支援者の皆さんが惜しみなく与える、その行動によって私たちフィリピン人が感化され、考えさせられます。日本の友人、兄弟姉妹が私たちフィリピン人の子供たちを助けている…。このことを通じて、私自身はどうなのか、フィリピンの隣人を助けているだろうかと考えさせられるのです。

 きょう、このあと家に帰ったら、わが家の3人の子供たちを集めて、この支援の輪を私たちの周りにも広げていけるよう、彼らを励まし、鼓舞したいと思います。

 どうして日本が先進国なのか、なぜ日本は経済的に豊かなのか、日本がなぜアジアでナンバーワンなのか。これは偶然ではありません。その理由は、日本の国には愛に溢れた人々がいるからなのです。私の個人的な願いは、いつの日かフィリピンがもっと経済的に豊かな国に変わることです。そのために、フィリピン国民も日本のようになろうとすれば、愛に溢れた寛大な人々にならなければなりません。

 受益者の皆さん、そこにいる子供たち。皆さんはこの奨学金支援プログラムの仲間であることをいつも意識してくださいね。そして皆さんには、周囲の誇りとなってほしいと願います。なぜなら、全校児童がこのプログラムの受益者になることはできず、限られた児童だけが受けることのできる支援だからです。何年か後も、皆さんは受益者の立場であると思います。私の願いを伝えるとするならば、将来、皆さんは受益者のままでいるのではなく、友人や皆さんの周囲にいる隣人に何かを与える人になってほしいと思います。

 受益者の父母の皆さん、それだけでなく、全校の保護者の皆さん。私たちは皆、チャレンジしなければならないのではないでしょうか? 他者に対して愛を施すうえで、言語は私たちの障壁にはなり得ないのだということを自分自身に問わなければなりません。人類の一員として、一つの世界、一つの平和、一つの家族の愛の絆を結ぶことに私は心深く感銘しました。

 ここにいる日本の友人、兄弟姉妹の皆さんはフィリピン人と同じ兄弟姉妹のように見えますし、フィリピン人も日本の兄弟姉妹のようです。そこに違いは感じられませんよね? 子供たちと抱擁し合っている様子を見ると、日本の支援者の皆さんは子供たちの親のようですし、実の家族のように見えます。

 私の人生において思い出深い出来事となったきょう一日を、私の祝福として、そしてフィリピンにとっての祝福として記憶したいと思います。

 皆さんがフィリピンの人々だけでなく、全人類にとって祝福をもたらす人々として存在し続けてくださることを願います。

 皆さんの親切な行いは、私に、これまで以上に人を愛そう、人を愛したいという思いに駆り立ててくれました。同時に、これまで以上に自分の子供たちを愛そうという気持ちにさせてくれました。さらに、これまで以上にフィリピンの子供たちを愛そうという気持ちにさせてくれました。そして、フィリピンだけでなく、世界の全ての子供たちを愛そうという気持ちにさせてくれました。

 神様がフィリピンを祝福され、日本を祝福されるよう祈ります。日本の支援者の皆さんが示してくれたこの愛の絆は、永遠に祝福されることでしょう。フィリピン教育省とフィリピン人を代表して、「ありがとう」というお礼の言葉をお送りいたします。


▲ジュナリン・モレスさん

「共に発展していきましょう」
 ブトゥアン市教育委員会 デイリンダ・タンパス委員長
(2012年6月17日、アンバゴ中央小学校の支援式典でのあいさつより)

▲デイリンダ・タンパス委員長

 各バランガイから参席した皆さんにとって、きょうはとても大切な日です。日本の支援者の皆さんからは、経済的・物質的な支援のみならず、他の面でも学ぶことができますし、日本の皆さんもフィリピンの人々から何かを学ぶことができると考えます。

 だいぶ前になりますが、私は日本に行く機会がありました。日本の国は、技術が進んでいるというだけでなく、人格形成の面でも学ぶことがたくさんありました。日本の人たちはとても規律をよく守って生活しています。東京を訪ねてみれば、とても大きな都市で駅にもたくさんの人がいますが、ごみ一つ落ちていません。

 日本人は自国の文化を愛する人たちでもあります。歴史、伝統を大切にし、守り継いできた人たちです。また、日本語という言語を大事にしています。自国の中にただ一つの言語を持ち、それを使う、世界の中でもまれな国です。それは、自国の言葉を大事にしているからです。他国とコミュニケーションするために英語も学びますが、国内では主に日本語を使います。自分たちの文化を愛するという姿勢を私たちは学ぶことができます。つまり、日本人は進んだ技術と、先祖から受け継いできた文化というものをうまく結婚させている人たちなのです。

 このプログラムを通して、お互いがよく知り合い、お互いの良い点を学び合うことを願います。双方のコラボレーションによって、このプログラムはさらに繁栄していくことでしょう。今後もこのプログラムが継続していくことを願っています。


▲デイリンダ・タンパス委員長
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